北ミサイル問題、国連安保理、中国に国際的自制を望む

7月5日の未明から夕方にかけて、北朝鮮のムスダンリ他から合計7発ものミサ
イルが発射されたニュースは日本中のみならず世界中を震撼させました。
すでに、既報の通りですから、いまさら時系列で順を追って書く必要はないので
すが、国連安保理では、日本の主導により批難決議案が提出されるだろうとする
一方で、安保理メンバーの中国、ロシアが制裁決議に否定的な態度をしめしてお
るという状況です。

但し、ロシアは次回サミットの議長国という事でいわゆる国際的批難を避けるた
めに、「棄権」にまわるどうろうという臆測が飛び交う中、中国が単独で常任理
事国である特権である「拒否権発動」を出すかどうかが争点になるという見方が
なされています。
中国が単独で「拒否権」を発動する事で、逆に中国が国際的批難を買う恐れもあ
る事から、意外と「棄権」に回るのではという楽観視もある程です。

しかし、中国の姿勢は、「刺激を与えるな!」「制裁は妥当とは言えない!」一
点張りりであり、なかなか、日、米、英、仏、その他非常任理事国との溝が埋ま
らないという状況。
明日にでも、中国外交部(=外務省)の武大偉外務次官が、友好訪問というかた
ちで、平壌を訪問する事になっているといえますが、中国にとっても弟分である
北朝鮮の外交はアメリカ等に優位性を示すカードの一枚ですから、安易にこれ
を切れないという事情もあります。しかし、今回のミサイル騒ぎに関しては、事
前通告が無かったばかりか、再三、中国も北朝鮮の暴走を制止していたところも
ありますから、弟分のしでかしてしまった事に対して、実はかなり「ムカッ!」
と来ているのは事実です。
6カ国会議でも一番中国が気を遣っている立場でもあるのです。
会議の場所も提供し、来た人間のメシの面倒を見るのだって、結構それだけでも
負担になりますからね。

明日の、武外務次官の訪朝の成り行きになるでしょうね。

はやり、中国に望む事は、もう一度冷静に世界の空気を読む事だとおもいます。
事と場合によっては、中朝が2カ国で浮いた形になってしまうからです。

むしろ、訒小平主席が金日成主席に提唱した、中国型開放政策のすすめを今一度
示す事なのでしょうが、どうも、軍部が暴走をしはじめて文官による統制が難しく
なってきているという臆測もあり、最終的には中国ですら手をつけられなくなると
いう事態にまで発展するのでは、、、、と考えると怖い気もしますが。

つくずく、私たち日本人は実にクールなエリアで生きているという感じがします。