北朝鮮失踪者支援放送「しおかぜ」へ妨害電波

特定失踪者問題調査会が、北朝鮮向けに短波で放送している「しおかぜ」
が、北朝鮮国内からと思われる妨害電波(ジャミング)を受けているとい
う事で、アジア放送研究会も把握しており、今朝のTBSニュースでも
報じられています。

この放送は、特定失踪者問題調査会の東京の特設スタジオから、
インターネット回線を使ってイギリスの放送委託会社VTコミュニケーション
ズに送られ、第三国に設置の短波送信所から北朝鮮向けに放送している
ものです。

今まで、特定失踪者の名前を読み上げる事が中心だったのですが、
最近では脱北者のインタビュー番組を、朝鮮語で行ったりした事もあり、
放送中に妨害電波がかけられているというものです。ジャミングは
東西冷戦中に、よく旧ソ連や中国、一方西側諸国も繰り広げられたもので、
酷いときはアマチュア無線用の周波数帯にまでも出没したものでした。
冷戦終結後一気に減りましたが、実のところ朝鮮半島ではまだありまして、
たとえば、657KHzにガツンと強力に平壌放送ピョンヤンバンソン)
が日本全国どこでも入りますが、実は韓国ソウル市内では妨害電波が
かけられていて韓国でこれを受信するのは極めて困難です。
一方、対北朝鮮向け放送と言われるKBS社会教育放送に対して北朝鮮
よる妨害電波がかけられます。
数年前に韓国に行った時に、持参のポータブルラジオでホテル内で実験
したのですが、ダイヤルを回すと妨害電波が結構受信できます。
妨害電波と妨害電波の狭間にまともな放送が聞こえてくる状況でした。

「しおかぜ」へはその一環なわけですが、厳密にいうとこれは国際条例
違反です。放送を主宰している特定失踪者問題調査会では、対応策を
こうじるという事で、対抗するという強気な姿勢です。
妨害をかけられたという事は確実に電波が届いているという事ですが、
基本的には北朝鮮ではラジオのダイヤルは固定されるばかりか、
一般人が短波放送を受信する事は死刑にも値する事です。
しかし、裏には裏があって、受信している人もけして無いとは言いきれない。
だからそれをおそれて妨害電波をかけているという事もあります。

実のところ東西冷戦が終結した理由の中には放送電波の役割という
のがあります。メディア通でもある将軍様はそこも危惧なさられて
いるというのもあるでしょう。

ただ、驚くべき事は、現在ではインターネット、コンピューター技術
の発達により、非常に簡易に放送局を立ち上げる事が出来るように
なったという事です。素材を送信所まで送る手段には、以前はマイクロ波
衛星等を使うのが主流でしたが、ブロードバンドにより良質な音声を
安価に遠くに送れるようになったという事、それと、いわゆる放送
委託業者というビジネスが発達したという事ですね。
年間に300万の経費という事ですから月25万円でこの放送は実現
出来るわけです。

短波放送受信愛好家が収集するベリカード受信報告書に対するお礼の
確認カード)こそは発行していませんが、受信報告書に1000円以上の
カンパをそえる事で、手紙形式のベリレターを進呈するという事です。
ベリレターもベリカードと全く性質の同じもので、もらった方はきちんと
保管するべきものです。

なお
放送スケジュールは5890kHz
毎日23時30分から0時までです。
受信報告書、お手紙のあて先は

特定失踪者問題調査会
〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-8 第6松屋ビル401
です。

カンパは郵便為替でもいいと思います。