中朝両メディアも報道、金総書記訪中

元はといえば、韓国の通信社が、北朝鮮金正日総書記を乗せた特別列車が中朝国境を越えて中国に入ったという情報を流しました。しかもこの行動は隠密行動というものでした。胡錦涛さんが北朝鮮を訪問し、中朝首脳会談が行われてそんなに月日も経っていなかったですから、一体何の目的なのかと世界中のメディアが注目したわけです。しかも、今までは政治の中心地である北京、せいぜい商業エリアでも上海までが彼の行き先だったのですが、経済発展と中国市場開放の象徴でもある広東省のシンセンに向かったという事で、また更に一体何があるのかという事だったわけですね。
まあ、あれだけの公用車両、お召し列車、高級ホテル全館貸切をやってしまったのですから、時間が経つにつれて秘密行動ではなくなっている、そして最後は、シンセン市内の川を流れる遊覧船に乗り優雅に大きなソファーでくつろぐ金総書記の動画までスクープされたわけで。
今になって中国、北朝鮮のテレビが今回の訪中の話題をし始めてますが、まあ、実のところこういった行為は、今を思えば妥当な行動だったのかもしれないですね。中国でも大都市を訪問したわけですし、もし万が一の暗殺テロがあった場合のリスクは計り知れない。最悪の事態を想定し中国はかなりナイーブになっていて、当然だったのでしょう。
CCTV(中国中央電視台)のサイトに、お馴染み外交部スポークスマンの孔泉さんの記者会見が報じられ、今回の金正日総書記訪中に関する記者団の質問があったのですが、その項目の多さには、今までのダンマリ状態からは目を疑うものでもあります。

北朝鮮首脳が中国を訪問した場合のその特殊性について、「こういったやり方もある。」という感じで、答弁に苦慮しているところも文面から見受けられますが、興味深いのは18日に、中米朝三者で外交レベルの接触があった事を明らかにした事でしょうね。いろいろ経済開放を模索している北朝鮮ですが、6者会議暗礁乗り上げ状態がひとつの傷害になっている事で、この事で胡錦涛主席と話し合った後の時間の流れですから、なんか全ての点が密接に線になっている事なのでしょうか。朝鮮半島の非核化に両者で合意しつつも、「強盛大国!」「先軍政治!」の拳は今でも上がったままで、、、要するに本当に非核化する意思があるのか、そのまま信用していいものなのか、、、、なんです。

経済都市訪問については、当然北朝鮮が中国のように経済発展せんが為に視察をしたというところが認識されるのですが、状況が変わっても両国の人民と、党(中国共産党朝鮮労働党)の友好関係は何ら変わっていないのでというか感じで、まるっきり欧米スタイルに流れている行く事に対する歯止め的ニュアンスも見え隠れしますが、、、、、、

日米、そして韓国と最近では貿易を強化している反面、対北朝鮮は対北朝鮮でそれなりに考えている。なんか、そういう中国の一種したたかかを覗かせつつも、外交守備範囲の強さというかが伺えられるというか。

ここまでの話、日本はまったく不在でした。
最後に、この件とは別で、孔泉さん口から日本の靖国問題が再び取り沙汰された。
この問題が解決しないからには、中国が日朝問題について何らかの協力してくれるというのはありえないという事なのかもしれないですね。
何か寂しい話です。

まあ、とりあえず、今度日朝交渉がありますが、日朝国交正常化交渉も含まれ両国には、「国交正常化担当大使」というポストがおかれるとの事ですが、そうなると拉致問題だけが置き去りにされる可能性も無くはない。
まあ、慎重に成り行きをみるしかないですね。