事実上の中国の対北朝鮮金融制裁

韓国のハンナラ党議員が、訪米の際、アメリカの高官から聞いた話し
として、中国の4大銀行のひとつである「中国銀行(Bank of China)」
が、マカオ、中国国内にある支店の、北朝鮮関連口座を凍結した模様
という事で、韓国の聯合通信発で報じられました。

武大偉中国外交部次官が、先に、平壌を訪問し、今回のミサイル乱射
問題で、アメリカの後押しもあり「説得外交」を展開したものの、事
実上の物別れにおわり、手ぶらで、平壌から北京に帰ってくるという、
本来ならば中朝関係でいえば有り得ないような事態
になってしまったわけです。

事の発端は、マネーロンダリングや、偽米ドル紙幣の使用が挙げられ
ますが、中国を怒らせてしまった原因の中に、最近、中国人民元の偽
札が多数見つかったという事です。
アメリカや日本が経済制裁を加えたとしても、兄貴分である中国がな
んらかの形で、経済的支援を行えば、それで十分金正日政権は保たれ
るわけですが、中国が経済的にそっぽを向けばこれはかなりの大打撃
になる事は確実です。
中国の他の銀行がこれに追随するかはわかりませんが、中国銀行はい
わゆるナンバーワン銀行ですからこれだけでもかなりのダメージがあ
るはずです。

いまや、世界にならぶ経済大国になった中国。その背景には、中国自
身だけの問題ではなく、多くの国々(とりわけ、アメリカ、日本、E
U)の友好的な通商活動があっての事。中国の道義的態度というのは
示していかないと、中国の国策的側面で不利になるのです。
今回の中国銀行が行った処置は、ある程度評価に値する行動と思われ
ます。

結局、ミサイルをつかったヤクザまがいな、瀬戸際外交の結果は、国
安保理からの一連の動きを見ればわかりますが、無二の同盟国中国
のこうした制裁をいてしまったという大誤算だったわけです。