中国でカーボン商品作れない?

私の本業は中国で傘を作る事なのですが、傘と申しましても、色々あ
りまして、骨の部分に鉄以外に、グラスファイバーやらカーボンファ
イバーを使う事があるのです。

昨日、中国のエージェントから一枚のFAXが届いて、オーダーの出
ているカーボン傘について生産不可能である、グラスファイバーに変
更出来ないか?
というものです。(カーボンの方が高級であり、軽量である。)

即、電話をして、理由を問いただしたところ、「本来、カーボン製品
をつくる材料は日本から輸入しているが、昨今、中国人民解放軍が軍
事増強をしていて、カーボンの場合軍事転用が行われやすいために、
日本政府及び税関がカーボン材料の輸出を制限している、お手上げだ。
」という事。

その後、その話のウラをとるべく、傘骨生産工場の総経理の携帯電話
に直接電話をして真意を質したところ、「没办法!」(お手上げだ!)
という言葉がかえってきました。
一説によると、別の見方もあるのです。

ボーイング社、エアバス社でいま一番のバイヤーは中国の航空会社で
す。理由はずばり、中国国内での航空需要が増えた為です。
航空機は大量のカーボン材を使用する事から、雑貨向けよりもそちら
に材料を流す必要が優先事項であるという事です。

しかし、半年位前からそれは少し落ち着いたという話を聞いていたの
ですが。

ただ、この前の、防衛大学校卒業式で小泉首相の祝辞にもありました
が、日本が、中国及び北朝鮮の軍事増強に少しナイーブになり始めた
のは事実で、それが影響したのも頷けます。

ココム(対共産圏輸出規制)の概念は、東西冷戦終結以降、世界情勢
の流れから少し薄らいでいた感もあったのですが、最近、ソニーや松
下が作るような電子機器でも、制限がかけられてしまうという事を時
たま耳にする事があります。

身の回りにあるもので、軍事転用出来てしまうものはうじゃうじゃあ
るのですね。カーナビ、WOWOWのデコーダー、特定小電力無線機
遠心分離機、、、、、、
ただ、冒頭に関する事、色々な情報が錯綜しているのは確かで
もう少し冷静に情報を整理する必要があると思います。

毎日毎日本当に色々な事があるものです。