祖母逝く。

母方の祖母が7日の23時過ぎにこの世を去った。
私はそもそも案外親戚関係には恵まれていない。

たとえば父方。
父方の祖母は還暦前に癌でこの世をさった。内孫としては僕が初の
男子だったからよく可愛がられた。小学校に入学したころから体調
が悪くなり、小学校2年の冬にこの世を去った。闘病中の丁度あの
浅間山荘事件で連合赤軍と警視庁と長野県警の機動隊がドンパチ
やっている中継を見ていた。
その後、独りになった祖父と交際しはじめた女性の事をめぐって、
父と祖父が喧嘩となり、父方の親戚関係と疎遠になった。
結局父方祖父は平成元年に他界したが、色々事情もあって住職と家
族だけで亡骸を瑞江の火葬場にもっていき、ひっそりと荼毘に伏し
た。

母方。
どちらかというと、祖父母というと母方の方が自分にはなじみがあ
った。しかし、母方祖父は、私が中学一年の時に他界した。寂しか
った。昨晩他界した祖母は、色々入退院を繰り返した人なのですが、
結局一番長生きした。祖母の息子(私の叔父)が祖父から継がれた
家業をだめにした事など、色々あってその祖母とも疎遠になった。

僕が中国に居る時、私が滞在するアパートの前のホテルで朝時たま、
飲茶を食べる事がある。最近、広東省の田舎町でも非常に豊かにな
り家族がホテルで食事をするという事は一般化されている。
けど、家族といっても、爺ちゃん、婆ちゃん、父ちゃん、母ちゃん、
兄ちゃん、姉ちゃん、お孫ちゃん、とにかく三世代が基本スタイル
なんです。
ぞろぞろとワイワイガヤガヤ、皆が飲茶の入った湯気がたつ蒸篭に
箸をつつくのです。中国では家族や親戚というのをものすごく大切
にします。お母さんが働きに出ても、家にいる他の家族が子供の面
倒を見るのは当たり前。

いつも中国で、あの光景をみて「羨ましいなあ。」と思う事があり
ます。

実はむかし私の周りもそうだったんだけど。
盆暮正月に、親戚が集まって飲み食いするのは当たり前だったので
すが。残念な話しです。けど、今日本ではこのような光景はどんど
ん広がっている。
でも、冷静になってみると、かえって家族や親戚が多い事で色々問
題を抱えてしまうこともある。正直、そこはどっちがいいか一概に
言えないのであるが、本当の理想は家族が支え合って生きていく事
でしょうね。

今回、祖母の場合、宗教的儀式はせず、遺体はすでに病院から火葬
場の霊安室に預けており、明日午前中に荼毘にふすつもりです。
それもなんか寂しいね。私は下町っこだったから、葬式は一種祭り
的感覚でいるのですが。